最近、他に読んだ本が影響したのか、ORに関心がある。もっとも、エンドユーザとしての興味であり、数理のほうはパッケージに任せ、実際の問題解決にORを適用するにあたって数理の外の泥臭い部分について知りたいのである。
で、読んだのがこの本というのは支離滅裂もいいところなのだが、今野先生の本なら面白いと思ったから読んでみた。この本の主役は整数計画法、要するに組み合わせ最適化の一種である。「組み合わせ最適化はNP困難で解けない」と認識していたのだけれども、一部の問題については大規模な問題でも恐ろしく高速で解けるようになったそうだ。で、整数計画法を解くために、整数条件を外して線形計画法で解を出して、そこからあれこれ工夫するそうだ。かつて、無謀にも整数計画法に属する問題を解くプログラムを組もうとしたことがあったのだが、分枝限定法とかよくわからず、さっさとヒューリスティックスに逃げたのだけど、線形計画法で良い初期値を与えるようなことを考えた記憶がある。分枝限定法等でも線形計画法を利用していたのは驚き。誰でも思いつくことが出発点だったりする。
「“役に立たない”はずの整数計画法が“役に立つ”方法として大復活を遂げた“世紀の大逆転ドラマ”を描く。本邦初の応用数学ドキュメンタリー」ということで、楽しく読むことができたけど、その辺は割愛。ところどころ方法の解説があり、これがなかなかわかりやすくて良かった。
で、感慨深かったのは整数計画法によるクラス編成方法。私は今野先生の考案したクラス編成方法により、第3希望に飛ばされるという希少な経験者なのであった。そんな仕掛けがあったとはねえ。
国内の大学歯学部での豪快な捏造が一部で話題になっており、興味本位で調査報告書を読んでみたら、(前から見聞きしてはいたが、)実験ノートが無いことは決定的要因の一つということ。業界では常識なのだろうけど、なんで実験ノートがあればOKなの(ノート自体捏造すりゃ意味ないぢゃん)ってことが疑問であったり、院生が脳科学研究をするってなこと言っているので業界の作法を知っとかなきゃまずいという事情があったり、おそらくこういった作法を取り入れる業界が増えて自分も他人事ではなくなりそう、ってことで、購入してみた。
特許、特に先発明主義の米国特許(もう先願主義になった?)への対応や、組織内の権利問題を解決するのが元からある目的で、捏造防止は最近になって重みを増してきたようだ。ま、これはこの本を読まずともだいたいわかっていた。しかし、読んでみるとラボノートってのは自分が想像していたものよりずっと公的(面倒な)もの、だからこそ重みを持つってことがわかった。
で、私や面倒見ている院生が所属機関内でラボノートを実践するとなると、現時点では障害が多いと言わざるを得ない。署名者をどうするかとか、ノートの管理法とか問題だ。ま、私や院生の研究は、さっさと学会で発表するということから、特許についてはほぼ無縁だと思う。しかし、研究の正当性の証明とか、院生の権利保護、院生の教育って観点からやはりちゃんとやるべきと思う。現実的にどの辺に落とそうか。よそ(心理実験+イメージングの研究をやっているラボ)ではどうしているのだろう。
久々に神保町の明倫館書店を訪れた。で、「記念」に購入したのが、深尾毅「システムの数理」(筑摩書房, 1975)。線形システム理論やら最適化理論やらに加えて、大規模システムへの統計物理学的アプローチも1章割かれている。なんと学部3年生用の講義ノートを基にしているそうだ。3年生でこれだけ理解できるのかな。同じ著者の本で統計物理的アプローチのみ扱った「分散システム論:熱力学的システム論」(昭晃堂, 1987)は今でも販売されているそうだ。
豊田さんによるデータマイニングの入門書で、見覚えのある内容だと思ったら、ブルーバックスで出したものをR対応にして加筆修正したらしい。伝統的統計学ではない手法についてRのパッケージの使い方を含めて解説してあるのがありがたい。また、妙に格調高くない身近な例が理解を助けてくれる。この本に限ったことでないが、豊田さんの解説はうまいねえ。院生の研究で使えるかもしれない。
9月のSIGLAL 「時間の関わる認知現象の科学」の予習も兼ねていろいろ勉強したが、その中でフラッシュラグ効果なる現象があり、一川さんと政倉さんが面白い論文"Manual control of the visual stimulus reduces the flash-lag effect"を出していることを知った。
で、本屋で表題の本を見つけ手に取ってみると、その一川さんの著書であった。全体的には普通に面白い。初めて知ることも結構あった。ま、私個人としては、著者はいかにも視覚の実験心理学者だなあ、逆に私は実験心理学者とは発想が違うなあということをあらためて思い知ったことのほうが、強い印象だったりするのだが。
遅ればせながらタイトルの「Takin'」... read more
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